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ミャンマー:MSF、ラカイン州の暴力抗争被害者の大部分に接触できず ―医療の提供拡大が急務

狗留孫峡1





国境なき医師団(MSF)日本



 国境なき医師団(MSF)は、ミャンマーのラカイン州で、民族対立による暴力抗争の被害者に向け援助活動を行っているが、依然として続く抗争により十分な医療活動ができない状況に置かれている。

 2012年6月以来、MSFの活動の大部分は中止を余儀なくされており、長期的なプライマリ・ヘルスケア・プログラムで援助を受けていた大勢の患者も医療を受けられないでいる。

 MSFは、世界各地の医療プログラムの中でも最も大規模な活動を、ラカイン州で20年近く行ってきた。2005年以降だけでも、100万人を超えるマラリア患者を治療し、プライマリ・ヘルスケア、結核・HIV/エイズ治療、母子保健医療を提供。患者の出身はラカイン州内のあらゆる民族・宗教グループに及ぶ。
 
 しかし、民族間抗争の発生した6月以降、主に脅迫行為によって、人びとや地域との接触が阻まれているため、MSFは活動規模を縮小している。以前から長期治療を受けていた患者数万人も、この数ヵ月間、治療が受けられずにいる。

 MSFは、この数日間、ミャンマー政府や国内外の人道援助団体と連携し、ラカイン州の州都シットウェおよび周辺地域で発生した抗争によって、新たに避難を余儀なくされた大勢の人びとの医療ニーズを調査した。複数の団体によるこの合同チームは、食糧、水、緊急医療を提供しているが、多くの人が家や財産を失い、極端に脆弱な状況に置かれ、健康状態が急激に悪化する恐れがある。

 民族間の憎悪は、ときにMSFのような援助団体にも向けられ、既に飽和状態の保健医療施設を運営し、新規避難民の援助にもあたっている保健省に対する支援をいっそう難しいものにしている。

 こうした混乱はMSFの長期的活動にも及んでいる。

 エイズ治療を含むプライマリ・ヘルスケア提供を目的とした、シットウェの診療所の新設計画も、10月末から11月初旬にかけて起きた抗議により延期された。また、都市圏を外れたチャウット、ミンビャー、パレワ各郡のMSFマラリア治療センターへの薬剤供給は現在中断しているが、早期に復旧できなければ、マラリア流行のピーク期が迫っていることもあり、治療を受けられない患者の急増が予想される。

 MSFの活動責任者、ジョー・ベリボーは
「活動が阻まれ、医療援助を必要な人びとに届けようとする行為が脅かされる現状は受け入れられるものではなく、また、緊急医療が必要な数万人の人びとを置き去りにするものです。新たに逃れてきた避難民、既に臨時キャンプに身を寄せている人びと、長らく医療から疎外されている住人のためにMSFができることはもっとあるのですが、一部の人びとの対立にそれを阻まれているのです」と話す。

 ラカイン州の全被害者を対象とした医療提供の規模拡大は急務であり、MSFは、医療の必要な全ての人と接触する自由と、医療提供に対する寛容を求めている。
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 MSFは1994年から、ミャンマーのラカイン州で活動。医療活動の重点は、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、マラリア、HIV/エイズ、結核を中心としたプライマリ・ヘルスケア。2011年には、48万7000件の診療を行っており、そのうち、約7万5000件がマラリア、2万4000件が母子保健に関する治療だった。

 また、600人余りのエイズ患者に、命をつなぐための抗レトロウイルス薬(ARV)治療を提供。ラカイン州ではおよそ300人を雇用しているが、活動停滞による解雇は免れ得ない状況だ。

PR TIMES




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